26:36 それから、イエスは弟子たちと一緒にゲツセマネという所に来て、「わたしが向こうへ行って祈っている間、ここに座っていなさい」と言われた。26:37 ペトロおよびゼベダイの子二人を伴われたが、そのとき、悲しみもだえ始められた。26:38 そして、彼らに言われた。「わたしは死ぬばかりに悲しい。ここを離れず、わたしと共に目を覚ましていなさい。」26:39 少し進んで行って、うつ伏せになり、祈って言われた。「父よ、できることなら、この杯をわたしから過ぎ去らせてください。しかし、わたしの願いどおりではなく、御心のままに。」26:40 それから、弟子たちのところへ戻って御覧になると、彼らは眠っていたので、ペトロに言われた。「あなたがたはこのように、わずか一時もわたしと共に目を覚ましていられなかったのか。26:41 誘惑に陥らぬよう、目を覚まして祈っていなさい。心は燃えても、肉体は弱い。」26:42 更に、二度目に向こうへ行って祈られた。「父よ、わたしが飲まないかぎりこの杯が過ぎ去らないのでしたら、あなたの御心が行われますように。」26:43 再び戻って御覧になると、弟子たちは眠っていた。ひどく眠かったのである。26:44 そこで、彼らを離れ、また向こうへ行って、三度目も同じ言葉で祈られた。26:45 それから、弟子たちのところに戻って来て言われた。「あなたがたはまだ眠っている。休んでいる。時が近づいた。人の子は罪人たちの手に引き渡される。26:46 立て、行こう。見よ、わたしを裏切る者が来た。」

　

　

今日は「同意する」というテーマですが、私たちは常に右か左か、YesかNoかを判断しています。これによって結果は全く違ったものとなって行きます。 ここで「同意する」と言う事を学ぶ前に、何に同意するのかという点で、権威と言うことについて考えたいと思います。 今日の社会問題、とりわけ学校や家庭における問題の原因は、そこに有るべき権威が失われていると言うことです。 人々は、従うべき規範、権威が無いために、右に行って良いのか左に行って良いのか、判断できないと言う事が起こっています。更には生きる理由まで無くしてしまうと言うことが起こっている訳です。また、大きな問題は分裂が起こると言うことです。 これが｢権威なき世界｣の状態です。

しかし、クリスチャンにはハッキリとした権威が与えられていることに感謝したいと思います。それは神による権威ということです。神による権威とは｢神の言葉｣と、神によって建てられている教会です。 一般的権威は人々の理性によって判断され、その中に従うべき価値がある時に成立します。しかし、神的権威は神の啓示によっています。この、神によって立てられている者に従うと言うのが信仰の秘訣です。 この信仰の手本としてカファルナウムの百人隊長を上げることが出来ます。マタイによる福音書8:5-10

　

｢8:5 さて、イエスがカファルナウムに入られると、一人の百人隊長が近づいて来て懇願し、8:6 「主よ、わたしの僕が中風で家に寝込んで、ひどく苦しんでいます」と言った。8:7 そこでイエスは、「わたしが行って、いやしてあげよう」と言われた。8:8 すると、百人隊長は答えた。「主よ、わたしはあなたを自分の屋根の下にお迎えできるような者ではありません。ただ、ひと言おっしゃってください。そうすれば、わたしの僕はいやされます。8:9 わたしも権威の下にある者ですが、わたしの下には兵隊がおり、一人に『行け』と言えば行きますし、他の一人に『来い』と言えば来ます。また、部下に『これをしろ』と言えば、そのとおりにします。」8:10 イエスはこれを聞いて感心し、従っていた人々に言われた。「はっきり言っておく。イスラエルの中でさえ、わたしはこれほどの信仰を見たことがない。｣ ここで見るように、権威が尊重される所では秩序が保たれることが出来ます。

　

モーセの権威を認めなかったイスラエルの民はヨシュアとカレブを除いて約束の地カナンに入ることが出来ませんでした。 サウル王は王自身が神に服従しなかったためにイスラエルは大きな困難を経験することになりました。 ダビデは大きな失敗をしましたが、なお神の前に悔い改めたために、平和が保たれました。 全ての祝福の基は、神的権威に従うと言うことにあるということが出来ます。 さて、イエス様は父なる神様と完全に一致しておられました。｢同意する｣と言う点でイエス様は私たちの手本です。ヨハネによる福音書14:9-11

｢14:9 イエスは言われた。「フィリポ、こんなに長い間一緒にいるのに、わたしが分かっていないのか。わたしを見た者は、父を見たのだ。なぜ、『わたしたちに御父をお示しください』と言うのか。14:10 わたしが父の内におり、父がわたしの内におられることを、信じないのか。わたしがあなたがたに言う言葉は、自分から話しているのではない。わたしの内におられる父が、その業を行っておられるのである。14:11 わたしが父の内におり、父がわたしの内におられると、わたしが言うのを信じなさい。もしそれを信じないなら、業そのものによって信じなさい。｣

ここでイエス様は、｢わたしが父の内におり、父がわたしの内におられる｣(14:10 )と言っています。 しかし、今日のテキストであります、ゲッセマネでの祈りを聞きますと、イエス様は父なる神と一致はしていましたがなお、別人格であると言う事を見ることが出来ます。 三位一体の神は一つでありながらなお、別人格であるとの証拠です。 マタイ26:42節では｢父よ、わたしが飲まないかぎりこの杯が過ぎ去らないのでしたら、あなたの御心が行われますように。｣とあります。

　

イエス様は父なる神と一つでありましたが、しかし、なお私たちと同じ肉体を持っているが故に、肉体による弱さを克服する必要がありました。ですからイエス様は、たびたび祈られたと言う事を福音書の中に見ることが出来ます。 マタイによる福音書では14:23で｢群衆を解散させてから、祈るためにひとり山にお登りになった。夕方になっても、ただひとりそこにおられた。｣とあります。また、ルカ6:12では ｢イエスは祈るために山に行き、神に祈って夜を明かされた。｣とあります。 イエス様は父なる神と完全に一致させるために、常に祈りによって、神の霊を内に満たしていました。これによって、｢わたしが父の内におり、父がわたしの内におられる｣(ヨハネ14:10 ) ことを可能にしています。

　

マタイ26:42節 ｢父よ、わたしが飲まないかぎりこの杯が過ぎ去らないのでしたら、あなたの御心が行われますように。｣ この意味は次のようになります。｢父なる神様、人間を贖うために他の方法があるかどうか検討してください。この大変な中を体験することがないようにしてください。しかし、もし他の方法がないのでしたら、私はあなたのみこころに従います。｣ ここに｢同意する｣との手本を、イエス様の内に見ることが出来ます。 そして、それは聖霊が常にイエス・キリストの内に満たされているためでした。 私たちは、贖いの主イエス・キリストを受け入れることによって救いの喜びに満たされます。それによって隣人をも愛する者と変えられます。しかし、なおそこには人間的な努力が必要です。 しかし、聖霊を受ける時、私たちは父なる神と、子なる神と一つとになることができます。それによって、私たちお互いも一つとなることが出来ます。 聖霊は私たちを交わりの中に回復してくださり、また愛によって結びつけてくださいました。感謝いたします。

　

　

<要約> 今日の社会問題の原因は、そこに有るべき権威が失われていると言うことです。一般的権威はその価値感が変化するために安定がありません。神的権威は｢神の言葉｣と、神によって建てられている教会です。モーセの権威を認めなかったイスラエルの民はヨシュアとカレブを除いて約束の地に入ることが出来ませんでした。全ての祝福は、神的権威に従うところにあります。 ｢同意する｣ことの手本はイエス・キリストです。マタイ26:42｢父よ、わたしが飲まないかぎりこの杯が過ぎ去らないのでしたら、あなたの御心が行われますように｣。キリストの父なる神への従順は、聖霊の内住による一致から来ています。父なる神への｢同意｣は、同じ聖霊を受けている人々を一つにし、互いを兄弟姉妹としてくださいます。この愛の交わりが全ての悪の根を色あせたものとします。日々聖霊が住んでくださっていることを確認し求めてまいりましょう。