5:9 平和を実現する人々は、幸いである、その人たちは神の子と呼ばれる。
皆さんはイマジンという曲をご存じでしょうか。ビートルズのメンバーであったジョン・レノンが歌ったものです。この曲は世界に平和が来た時のことを想像してごらんよ、そうしたらその事が現実になるよ、と歌っています。
次のように歌っています。
想像してごらん みんなが 平和な暮らしを送っていると
想像してごらん みんなが 世界を分かち合っていると
想像してごらん いつかあなたも仲間に加わって 世界はひとつになるんだ
この曲はつまり、全ての人が「世界に平和が実現した社会」をイメージするならば、その事は現実となりますよ、と言うメッセージです。
少し聞いてみましょう。
この曲が今も多くの人に好んで聞かれていると言う事は、その多くの人が平和を望んでいると言う事を現しています。
勿論、希望を持ってイメージして行くことは良いことです。
しかし、一つだけ付け加えなければならないことがあります。
私たち全ての人間は傷付いている存在だという事実です。そして傷付いたままでは、平和への希望を持っていても、それを永続的なものとすることが出来ないと言うことです。
つまり、ともすると私たちは人の過ちを赦すことが出来ないと言う事があります。これは自分自身が傷付いているために、人を赦す余裕がないと言うことです。つまり包容力が無いと言うことです。
また、傷付いた存在であるために、多種な誘惑に対して抵抗力が低下しています。そのために自分で決めたことが、出来ないと言う事があります。よいと思ったことはしないで、してはいけないと思うことをしてしまう、つまり、人には弱さが有ると言うことです。
これもつまりは、傷付いた存在だからです。
私たちが世界の平和を望むならば、まず、私たち自身一人ひとりが、傷付いた状態から癒されて、包容力のある豊かな人間になるのでなければ世界の平和を実現するのは不可能と言わなければなりません。
では、いったいどうしたら、傷付いた状態から癒されることが出来るのでしょうか。イエス・キリストは2千年前に十字架に張り付けにされた時に、その張り付けにした人々に向かって次のように祈りました。「父よ、彼らをお赦しください。自分が何をしているのか知らないのです。 」(ルカ23:34)
イエス・キリストの包容力を理解できたでしょうか。
そしてイエス・キリストは私たちに対して次のように言っています。マタイ11:28 「疲れた者、重荷を負う者は、だれでもわたしのもとに来なさい。休ませてあげよう。11:29 わたしは柔和で謙遜な者だから、わたしの軛を負い、わたしに学びなさい。そうすれば、あなたがたは安らぎを得られる。」
イエス・キリストは私たちの傷付いた状態を御覧になって「休ませてあげよう」と声を掛けてくださっています。また、次のようにも言いました。
ヨハネ14:6「わたしは道であり、真理であり、命である。わたしを通らなければ、だれも父のもとに行くことができない。」
イエス・キリストこそ傷付いた人間の救い主です。私たちはイエス・キリストに全き信頼を置く時に、傷が癒され弱さは強さに変えられ、良いと思うことを行うことが出来る自立した人となることができます。
聖書に「平和を実現する人々は、幸いである、その人たちは神の子と呼ばれる。」(マタイ5:9)とありますが、傷が癒され自立した人となることによって、その人は平和を作り出す人と変えられます。今、イエス・キリストによって、平和が押し広げられています。
世界は善の広がりと悪の広がりとの戦いになっています。聖書に「悪に負けることなく、善をもって悪に勝ちなさい。」(ローマ12:21)と勧められているように、善は最終的に勝利いたします。
イエス・キリストにある癒しを受けて、人の過ちを赦すことの出来る包容力のある人となって、世界の平和のために生きる者となっていただきたいと願います。
そうすればジョン・レノンのイマジンは現実のものと成ります。